教え子の医師
小山 聡 様から、
思い出・メッセージを
いただきました。
伊藤先生、旅立たれたのですね…。
私は小学1年から中学2年まで松蔭町で油絵を習っていました。
はじめ教室は古い建物でした。ガラガラ扉の玄関の引き戸を開けると、
溶き油と絵具のにおいがウワッとして、気持ちにスイッチが入ったものです。
暗闇のなかで共同のイーゼルを選び、自分の油絵セットと書きかけのキャンパスをもって教室に入り、
大人の先輩たちに遠慮しながら隅っこで絵を描いていると、必ず伊藤先生が話しかけてきてくださいました。
狭い教室だったので伊藤先生はあちこちにつかまりながら「ヨッタヨッタ」といった足取りでニコニコしながら近寄ってきてくれました。
先生は私を子供扱いせず、いつも1人の人間として接してくださいました。
いつもニコニコしているのに、絵を修正してくださるときに急に真剣な表情となるのが印象に残っています。
途中から広く新しい教室になりました。本格的に絵をやるならデッサンを勉強しなおしたほうがいいといって、中学になるときから馬や人の絵をたくさん描かされたのはいい勉強になりました。
教室内に大きなステレオセットがあって、19時すぎからFM放送のサウンドオブポップスというラジオ番組を聞きながら教室の先輩方と話をしたり、誰かが持ってきたしゃれた洋菓子をいただいたりして、ちょっとだけ背伸びした、そして大人びた楽しいひと時を過ごしたものです。
おしゃべりのときの伊藤先生はいつもニコニコしながら聞き役にまわっていたのも懐かしい思い出です。
先生からは絵だけではなく、事の見方や考え方など、様々なことを教えていただきました。
今の私の生き方や考え方は先生との8年間が礎となっていて、なんと仕事もリハビリ関係の職に就いています。
いつかご挨拶に、と思っていた矢先の訃報だっただけに....残念です。
心からご冥福をお祈り申し上げます
医療法人社団shindo
旭川リハビリテーション病院
医師 小山 聡
教え子の版画家
菊池俊治様から、
思い出・メッセージを
いただきました。
-
①
-
②
-
③
-
④
-
⑤
教え子の絵本作家・
イラストレーターの
味戸ケイコ様から、
思い出・メッセージを
いただきました。
伊藤郁子先生
遺作展おめでとうございます。
長い間ご無沙汰している間に先生は天国へ旅立たれてしまいましたね。
でも先生への感謝の気持ちはいつも心の底にあったこと、お伝えしたいです。
もう60年も昔のこと、遺愛高校の向かい、文雅堂の2階のクロッキー会に私は通っていたのですが、先生は私たちの描いたクロッキーやデッサンのアドバイスをしてくださっていましたね。
私は誰よりも描くことは好きだったのですが、誰よりも下手くそでした。
そんな私が無謀にも美大への受験を夢見てしまったんです。
やはり進学希望の同級生と一緒に先生のお家へ押しかけて石膏デッサンの指導をお願いしました。
多分教え子の第1号だったのではないでしょうか。
描いても描いてもなかなか上達しない生徒でしたが劣等感を溶かしてくださるような優しい接し方で励ましてくださいました。
思い切ってお願いして正解でした。
お陰で現在もフリーのイラストレイターとして大好きな仕事を続けられています。
私にとってこれ以上の幸せはありません。
心からありがとうございました。
日々忙しく心のゆとりのないまま過ごしていて、なかなかお会いできませんでしたが、この場を借りて心よりお礼申し上げます。
先生も美術ひと筋すじ情熱を注がれて、どれほどたくさんの人たちを魅了したことでしょうか。
たくさんの教え子さんたちを世に送り出し、たくさんの作品を遺すことができてお幸せだったと思います。
天国でもきっと無心にキャンバスに向かっていられるのでしょうね。
みんなを明るくするような笑い声が聞こえます。
感謝をこめて・・・
味戸ケイコ